2019年3月16日土曜日

FAURÉ 『Piano Quintet No.1』/ Hubeauのピアノ



フォーレ
『ピアノ五重奏第1番(ニ短調)』
を初めて聴いたのは

大学に入学してすぐの4月、
国立音大の旧図書館の視聴室でした。



図書館の視聴室の
窓から見える
新緑が目に優しかったです。

ピアノの速いアルペジオが
瑞々しく
弦楽器の美しい旋律が
レガートでつながる
多幸感溢れる
この曲は

その時から
私にとっては
柔らかな
明るい
春のイメージとして
記憶に残っています。



その時聴いたアルバムは
エラート社で録音された
フォーレの室内楽全集のCDでした。

演奏者は

弦楽器
ヴィアノヴァ カルテット

ピアノ
Jean Hubeau(ジャン・ユボー)

です。

いずれも
フランスを代表する
アーティスト達です。

この時
ユボー
70歳だったそうですが、

キレの良さと
音色の輝きは
年齢を感じさせません!



この曲は
フォーレ
40代後半から50代前半にかけて
書き始められますが
一時中断し

耳の病に煩わされながらも
50代後半から60歳にかけて
再び着手し
完成されました。

苦しみ抜いて作曲されたにも関わらず
そんな面影は微塵も感じさせず
若々しく軽快な曲調が前面に出ています。

転調が鮮やかですが
抑制の効いた教会旋法の旋律が
曲全体に落ち着きを与えています。

格調高く
非常にバランスのとれた
「これぞフォーレ」
と言いたくなる
語法的にも独創性に満ちた
深みのある
美しい楽曲です。



曲は
ヴァイオリニスト
イザイに献呈されました。

イザイは試奏した時に
この曲を絶賛したそうです。



全3楽章ありますが
全然長さを感じさせません!


オススメの1曲です

https://youtu.be/5-j6LLkpQYY

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